新世言

 新世言 3月号 つづき
法令の根をなす倫理道徳

 法によって裁かれた人たちの事情は千差万別だ。たまたま事件に巻き込
まれたり、故意ではない犯罪を犯してしまったりする場合もある。冤罪事件
もしばしば報道される。検察当局の不祥事が発覚して、司法への信頼が
揺らぐ事件も近年には起きた。
 社会の秩序を守るために法は欠かせない。そして犯罪者の少ない社会を
目指さなくてはならない。他方、秩序の維持には法だけでなく、倫理道徳の
役割が大きいことを忘れてはならない。民族の歴史と伝統に培われた倫理
道徳は、法体系の基盤になっているのだ。
 ところが「法律に触れさえしなければ何をやってもかまわない」という風潮
が蔓延している。間違った考え方である。企業の不祥事が生じるたびに、コ
ンプライアンス(法令遵守)が盛んに説かれてきた。それはもちろん大事なの
だが、法令の根底にあえう倫理道徳が疎かにされるようでは本末転倒である。
 そもそも法は、人の道を説くものではない。人として当然の行為まで、いち
いち法律に定めない。たとえば「困っている人に親切にする」のは倫理道徳の
教えであり、良識である。われわれはふだん、そうした良識に従っているので
ある。
 法律は細々としているようで、抜け道がいくらでもある。犯罪がおこるたびに
新たに法律が増えていくような世の中は健全だとはいえない。なにより求めら
れるのは、倫理道徳を遵守する精神と実行力である。それが社会秩序の土台
となり、犯罪件数も減少させる。
 ただし、旧来の倫理道徳は形骸化し、力を失っている。私どもが普及してい
る「純粋倫理」という生活法則によってこそ、倫理道徳は強化され、血が通うよ
うになる。本来の力を得て、みずみずしくよみがえる。それなくして日本創生の
地盤は築けない。
 網走の寒風にさらされながら、法と倫理の関係を再認識し、倫理運動の使命
を再確認できた。
 極寒の地にも、やがて春がめぐってくる。

                 新世言 3月号 倫理研究所理事長  丸山 敏秋



 


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