新世言


                      新世言9月号つづき             
 脱原発から自然再生エネルギーの開発を
 原発の大事故は、万が一にも起きてはならないことなのだ。世の中の大
事故のほとんどは、一過性で地域も被害者も限定される。しかし原子力事
故による大量の放射線漏れは永続的で、全地球的に影響が及ぶ。事態の
深刻さがまるで異なる。
 大地震の直後、原発が危険だと察知し、警告が出る前に避難した周辺
住民が少なからずいた。彼らの行動を早とちりだとか、過敏すぎるとわらう
のは間違っている。あとになって修正されたレベル7の原発事故は、首都
圏が壊滅するほどの最悪ケースになった可能性も高かったのだ。同様の
事態が、今後もどこでおこるかわからない。
 放射能はまさしく「見えない脅威」である。放射能の量は計測できても、
それが人体にどれほど悪影響を及ぼすのかよくわからない。専門家の見
解にも違いがある。一般国民は政府や専門家からの情報に頼るよりほか
ないが、そこにウソが混じっていたら、もう何をしんじたらよいのかわから
なくなる。
 地球の安泰を最高目標とする「地球倫理」の観点からすれば、原発の
推進は容認できない。そのことが大震災で明白のなった。もっと早くに気
づくべきだったが、今更過去には戻れない。
 厄介なことに、すでに半世紀に亘って稼動してきた原発を、すぐには全
廃できない。廃炉にすがるのも核燃料を処分するのも長い時間を要する。
安定的な電力は確保しなければならない。
 とにかく今後は、脱原発(卒原発)を方向として定め、電力の需要と供
給のバランスを調整しつつ、効率の高い自然再生エネルギーの開発を
急ぐべきである。その間は火力発電にも頼らなくてはならないだろう。原
発事故はすでに起き、放射能は外部に漏れ出てしまった。子供や若者の
被爆を最小限度に抑えつつ、放射能と共存していく覚悟も定めなむては
ならない。
大震災直後の「自分も何かしなければ」という心の底からの善意を忘れ
ずに行動しよう。どのような事態であろうと、責任の一端をみずから担お
うとする気概を保ちつづけよう。
 創造的な復興が必要なのは被災地だけではない。「見えない脅威」に
立ち向かう日本および日本人の全体に求められているにだ。


          倫理研究所理事長    丸山 敏秋 (新世9月号)

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

書いた記事数:72 最後に更新した日:2018/07/11

search this site.

others

mobile

qrcode