新世言

 「歌」の持つ力

 童謡や唱歌など、人々から愛唱されてきた歌は数多い。世代を超えてうた
い継がれてきた歌も少なくない。そうした日本人の愛唱歌から五十一曲をセ
レクトし、そのメロディーをアレンジ(編曲)したCDが発売された。本誌の発行
元である社団法人倫理研究所の創立六十五周年を記念した事業の一つで
ある。
 そこには「花」も「荒城の月」も「浜千鳥」も「早春賦」も入っている。「故郷」
はもちろんだ。「仰げば尊し」や「母さんの歌」もある。「サンタ・ルチア」はナポ
リ民謡だが、日本人は愛唱してきた。ブラームスやシューベルトの子守歌も
入っている。大半は明治に入ってから戦前までに作詞作曲された歌だ。「思
い出のアルバム」がいちばん新しい。
 すべてが小野崎孝輔先生によるアレンジ作品である。
 使われる楽器は、ピアノ、ハーブ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネット、フー
ルート、リコーダー、ハーモニカ、ギター、アコーディオンと多種多様。それら
を自在に組み合わせて、品格あるメロディーを編まれた小野崎先生の神業
には感服するほかない。収録も調整も先生の立会いのもとで完成した。
 中高年は歌の題名を見るだけで、もうメロディーがわき出してくるだろう。
若い方々には初めての曲でも、両親や祖父母が愛唱してきた歌として聴い
ていただきたい。なんともいえないぬく温もりが感じられるだろう。
 それらの曲に静かに耳を傾けると、心がどんどん変化していく。震えたり、
落ちついたり、弾んできたり、勇気がわいてきたり・・・・。そして自分の顔が
穏やかになったのがわかる。日頃の憂さなどは吹き飛んでしまう。夫婦喧
嘩を修復する特効薬にもなるだろう。
 東日本大震災の被災者を励ますコンサートや、避難所で歌をプレゼントす
る活動が盛んに行なわれた。大勢の人たちが被災者のふるさとの復興を
祈り、唱歌「故郷」を大声で熱唱したという。
 歴史を背負った歌には力がある。わが歩みこし道や先人たちの歴史が刻
まれている詞(ことば)やメロディーを呼び戻すことで、心は癒され、新しい力
がわいてくる。
 装いも新たによみがえった愛唱歌の数々は、わたしたち日本人ちして生ま
れた喜びを与えてくれる。その喜びが「日本創生」への原動力になることを
信じて疑わない。   

               
              新世言7月号 倫理研究所・理事長 丸山 敏秋   






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