新世言

 新世言4月号つづき

 縁という見えない結びつきは、意識されてはじめて現実のものとなる。意
識されなければ、無きに等しい。
 実は、人も物も自然も、すべては隠れた次元で一つに結ばれているのだ。
自分が出会う相手とは、とくに強く結ばれている。現代人はその縁を、感じ
取れなくなっているのではないか。縁が切れたり薄れたのではない。意識
化されにくくなっているのである。
 結びつきの有無は、試してみたらすぐわかる。諍いやトラブルが起きたと
きに、相手を責めるのをやめ、自分の心や行動を変えてみる。すると相手が
どう変わるか。きっと変わる。子供が反抗して手に負えないとき、親夫婦が
関係を改善したら、子供の態度がすっかり変わった事例は無数にある。
 なぜ、そういうことが起こるのか。−−自他の強く深いつながり、結びつき
が、厳然と存在しているからである。
 依存心の強い自分中心の人は、そうしたつながりを感じにくい。 「わがま
ま」を捨てることで他者との結びつきが感じられたら、喜びと共に、縁が意識
化される。相手に対する近親感が増し、態度や行動が以前とはおのずと違
ってくる。
 われわれは日々、天地の恵みや多くの人々の働きによって生かされてい
るではないか。たとえ他者との関わりを嫌って避けようと、世の中には見え
ない縁の網が張り巡らされている。日本も世界もけっして「無縁社会」など
ではなく、「有縁社会」なのだ。
 そのことに気づかず、人々の絆が薄れて他人同然となったら、社会は土台
から崩れてしまう。まずは家族や身近な人たちとの有り難い縁を確かめ、しっ
かり結び直そうではないか。
 自分からできることはいくらでもある。元気な挨拶の声かけから始めてはど
うか。「わがまま」を捨てる生き方を学び合う人たちとの縁も、大いに結んでい
きたいものである。

                           新世言 4月号 丸山 敏秋   

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